本との付き合い方
今でこそ本はわたしにとって必要不可欠なものになりました。
寝る前には本を読み、外出時にも本を持って行き、移動中は本を読み、新刊の情報を収集し……。
本の虫、とまでは言わずとも、水分補給と同じくらい本は大切です。
しかし、これまでのブログでも触れましたが、わたしは高校生になるまでほとんど本を読みませんでした。
読書感想文は苦痛なものでしかなく、なるべく短い本を選んでいました。
朝の読書の時間も、同じ本ばかり読んでいました。
その理由は、自分の琴線に触れる本に出会うことができなかったからです。
だから、本をいくら読むように勧められても、読みたくないものは読みたくない、と思って絶対に読もうとしませんでした。
なかなか威勢のいい子どもですね。笑
しかし、わたしが読みたかったのは海外文学だったんだ!と気がついてからは、本の虜になりました。
読みたい本に出会い、心を奪われ、夢中になって読み進めることは、アイデンティティの確立にもなりました。
好きな海外文学を原文で読めるようになりたい!という思いで、大学は英文科系を選んだほどです。
若い頃の経験は人生の糧になったり、礎となったりしてくれます。
そのため、若い頃に、様々な価値観に触れられる本を読むことは、意味があることでしょう。
でも、自分の有限な人生を、心から好きだと思える本だけに捧げるのも、悪いことではないと思います。
むしろ、好きなものに時間をかけることは、自分の気持ちに素直になること、自分の感情を大切にする練習にもなります。
現にわたしは、好きなもの好きと言える人間です。
それは、教育のため、漢字の知識のため、人生のため、と言われても、怒られても、ワクワクしない物語は読まない、と決めた若かりし日の頑固な自分のおかげです。
もし、本を読むように言われても、どうしても読む気が起きない人がいたら。
無理に読む必要はないと思います。
世界は素晴らしい本であふれています。
その中に、琴線に触れる本は絶対にあります。
そういう本に出会うために、読みたくもない本を読んで家に籠るくらいなら、本屋さんへ行ってほしいです。
もちろん今はご時世的に難しいですが。
本屋さんにもいろいろあります。
流行りものばかりが並んでいるお店もあれば、店主が厳選した珍しい本が並ぶお店も、古本屋も。
とにかくたくさんの本屋さんに行って、いろいろな本に触れて、自分の心を揺さぶってくれる本に出会ってほしいです。
読書の秋という言葉も大嫌いだったわたしが、読書の秋にこの記事を書こうと思ったのは、
同じようにこの言葉が嫌いで、読みたい本がわからない人のお力になれたらと思ったからです。
読みたい本を読む。
これが一番大切なことだと思います。