花束を持ったゾウ

好きなものについて楽しく書く

物語の世界の伝え方

わたしが大好きな児童文学や絵本には、

時代や国が異なるのはもちろん、地球ではない世界が舞台の作品もあります。

それらの世界観はどれも独特で、好奇心を掻き立てられます。

今回は、そんな世界観を、著者の方々はどのように読者に伝えているか

わたしが知っている限りの方法をご紹介します。

 

1、冒頭紹介

なぞの少年」は、わたしにとって初めての「クロアチア」を舞台にした作品で、

その新鮮さによる興奮は、ファンタジー作品を読んでいる時と同じものでした。

この作品では、物語における時代背景や社会情勢、子どもを取り巻く環境が

冒頭にとてもわかりやすく、子どもでも理解できるほど簡単にまとめられています。

そこで、読者は世界に入り込む準備ができるのです。

 

2、地図

世界の地図がついている作品もありますね。

エラゴンシリーズ」はカバーの下が地図になっています。

この方法は、言葉は少ないながら、情報量は多く、宝探しのような楽しさもあります。

地図は物語の縮図と言える存在です。

主人公たちの進んできた道のり、迫りくる敵との距離、目的地までの距離など

様々なことを知ることができ、

主人公とともにより一層ハラハラしたり、達成感を感じたりすることができます。

 

3、登場人物の会話

また、巧みな文章や会話によって世界観を紹介している作品も存在します。

大魔法使いクレストマンシーシリーズ」はその点に長けていると考えます。

クレストマンシーシリーズの世界には、

歴史的な出来事の分岐の影響を受けて、少しずつ違うところがある系列世界がいくつも存在しています。

ニュアンスが若干違っていたら申し訳ありません。

わたしの説明では、混乱を招く可能性がありますが、

著者であるダイアナさんは、

物語の冒頭に、世界観をわかりやすくまとめているだけではなく、

物語の中でも、登場人物たちの会話で、自然と世界観を説明しているのです。

その会話にはわざとらしさが一切なく、物語において必要な状況でしか、話題に上りません。

 

4、説明なし

説明が一切なく、ストーリーを次々に展開させていくことで

読者を世界に引き込んで、いつの間にか世界観を理解させてしまう

という方法も存在し、そのような作品も大好きです!

例えば、「不思議の国のアリス」は、

タイトルの「不思議の国」という部分と、作中のアリスの独り言によって、

「ここは常識の通用しない、あべこべで不可思議な場所だ」

ということを読者は自然と理解していきます。

この「引き込み型」も癖になりますね。

 

世界観の説明はこれの方が良い! というものは、個人的にはなく、

説明の仕方よりも、 著者の皆さまのアイディアに溢れた世界観が

生き生きと描かれている作品は、すべて良いものだと思っています。

 

その世界が素晴らしい! というのが一番重要なのではないでしょうか。

 

今後も世界観の伝え方に注視して物語を楽しみ、

興味深いものがあればまたご紹介します。

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。