花束を持ったゾウ

好きなものについて楽しく書く

好きな絵本1「たいせつなきみ」

今日は大好きな絵本を紹介します。

マックス・ルケード作、セルジオ・マルティネス絵、デイビッド・ウェンゼル絵の「たいせつなきみ」です。

honto.jp

わたしが幼稚園生の頃に、母が購入し、何度も読み聞かせをしてもらいました。

自分で文字が読めるようになると、つらいことがあったり、癒されたい気持ちになったりした時に、読むようにしていました。

この作品のセリフの全ては、多くの人に響く贈り物のようにキラキラと輝いているのです。

※以下、ネタバレを含みます。

 

エリの工房で、パンチネロとエリが話をするシーンは何度読んでも泣いてしまします。

否定され続けたパンチネロの話をゆっくりと聞き入れ、その上で「愛している」と言ってくれる。

これ以上の幸せと喜びがあるでしょうか。

この絵本は、誰かが必ず自分を愛していて、ありのままの自分のことを愛してよい、という当たり前のことを気づかせてくれます。

この絵本を読んですぐに、自分のことを好きになれるというわけではありません

しかし、どこかにパンチネロにとってのエリのような存在がきっといる、と思うことができます。

それは希望や勇気、自分への優しさになります。

 

また、自分の悲しみやつらさを受け入れてくれる存在のありがたみを実感させられます。

悲しみやつらさを言葉にするのはとても難しいことで、言葉にできたらどんなに楽だろう、と思うことは誰しもたくさんあります。

パンチネロも決してうまく伝えられたわけではないでしょう。

しかし、エリはパンチネロを一言も否定せずに、話を聞き、また話をしに来てほしいと言いいます。

それだけで、パンチネロは自分の感情に寄り添ってもらえた安心感を味わえたことでしょう。

自分がつらいときにこの作品を読むと、パンチネロと共に、エリに寄り添ってもらったような気持ちになれます。

読者をも安心させてくれる力を持っているなんて、エリも、作家のお三方も優しさに溢れていますね。

そして、読み終えた時、わたしの傍にはエリやお三方のような人がいると思い出すことができます。

愛情深い両親、大好きな姉、思いやりのある数少ない友人たち。

彼らに改めて感謝するとともに、わたしも彼らにとってのエリでありたいと思わされます。

 

わたしにとってこの絵本は、厳しい時を生き抜くのに必須な武器であり、宝物であり、お守りです。

こんなにも心が軽くなり、清々しい気持ちになる絵本は無いように思います。

きっと多くの方にとって、そうだと思います。

もし、まだこの絵本に出会ったことがなく、このブログをきっかけに知ってくださった方がいたら、ぜひ明日にでも読んでほしいです。

 

ちなみに……

絵も最高に美しく、細部にまでこだわりが見られ、隙がないため、ジッと見ていると、ウイミックスたちの世界に入り込んでしまいます。

最後まで読まないと、絵本の世界からうまく出られなくなってしまいますよ。