花束を持ったゾウ

好きなものについて楽しく書く

はてなブログ10周年特別お題「好きな○○10選」は「好きな児童文学のキャラクター10選」

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」で

「好きな児童文学のキャラクター10選」を書こうと思います。

 

1、『不思議の国のアリス』よりアリス

素直さ、行動力、たくましさ、心の強さ、見た目などアリスの全てに魅かれます。

突然不思議な世界に迷い込んでしまったにも関わらず、アリスはどんどん周りに話しかけ、行動し、道を切り開いていきます。

年々臆病になっていく大人になってしまったわたしにとっては、きっと一生憧れの存在でしょう。

 

2、『不思議の国のアリス』よりチェシャ猫

猫が好きというのも理由の一つですが。笑

特にテニエル氏の書くチェシャ猫は、不気味でありながらもふわふわした体がとてもかわいらしく、そのアンバランスさにとても惹かれます。

三日月を見ると、必ずチェシャ猫を思い出すほどわたしの心に深く住み着くキャラクターです。

 

3、『エーミールと探偵たち』よりエーミール

とにかく母親思いの優しい子で、読者の方が泣きたくなる程です。

自分の気持ちを抑え、再婚して母親に幸せになってほしいと願い、涙をこらえるエーミールはとても立派でした。

仲間思いでもあり、極悪非道な大人にも立ち向かう勇気を持っている主人公らしい少年です。

 

4、『飛ぶ教室』よりベク先生

児童文学に登場する、子どもの味方になってくれる大人が大好きです。

ベク先生が生徒に愛情を与えた分、生徒たちも先生に愛情を送っています。

大人も子どもの関係ない、相手を思いやる気持ちのやりとりがとても美しいです。

それは偏に生徒思いのベク先生だからこそのことなのでしょう。

 

5、『大魔法使いクレストマンシーシリーズ』よりマリアン

マリアンは「良い子」の一言に尽きます。

誰の頼みも聞き、理不尽な言いつけを守ろうと努め、自分の事は後回し。

心配になるくらい良い子で、恐らく読者からはとても好かれているのではないでしょうか。

クレストマンシーの元で魔法使いの勉強をするようになった子どもはたくさんいますが、本当に良かった、と一番思うのはマリアンです。

 

6、『サークルオブマジック』よりリース

意思をしっかりと伝え、常に行動する力を持つ利発な女の子も大好きで、リースはそれに当てはまります。

いつもランドルの味方で、そばにいることを選ぶリースの強さと愛情に、いつも心が暖かくなります。

きっとランドルもリースがいるからがんばれるのでしょう。

 

7、『エラゴンシリーズ』よりサフィラ

初期の頃はドラゴン然とした振る舞いが多く見られ、エラゴンを包み込む母親のような存在でした。

しかし展開が進むに連れ、サフィラの感情的な部分や幼さが垣間見え、まだ生まれたてのドラゴンなんだということを思い出し、とても愛しい気持ちになります。

ドラゴンのような強い力を持つ不思議な生き物もかっこよくて大好きです。

 

8、『ほんものの魔法使』よりモプシー

最近読んでいる本で、読み始めてすぐに心を奪われたキャラクターです。

ずけずけものを言ったり、大胆な行動に出たりするのは、すべて大切なアダムを思ってのこと。

とても愛情を感じます。

今はちょうどモプシーが捕らわれたピンチの場面なので、早く続きが読みたいです。

 

9、『ダークマテリアルズ』よりパンタライモン

モプシーと同じく、大切なライラのために知恵と変身の力を存分に発揮する健気なキャラクターです。

ダイモンという存在が羨ましいのはもちろんですが、パンタライモンは特に羨ましいです。

 

10、『メアリー・ポピンズシリーズ』よりジェーン

とてもしっかりした長女で、どこか自分の姉に似たところも感じられ、読んでいて安心するキャラクターです。

少しわがままなマイケルと、気難しいメアリー・ポピンズとの間をうまく橋渡ししている姿は、様々なことを達観しているように見えます。

しかし、時々不満を言ったり、メアリー・ポピンズに鋭い一手を送ったりしているところを見ると、ジェーンも子どもらしく振る舞えるんだと思い、別の安心も覚えます。

 

こうして、好きなキャラクターをあげてみて、わかったことが2つあります。

1つは、主人公から、主人公を支える相棒まで、様々な立場のキャラクターが好きだということ。

もう1つは、キャラクター個人はもちろん、物語全体を楽しんでいること。

この2つです。

実は10のキャラクターを選ぶのに、2日かかりました。笑

ここであげた以外にも、好きなキャラクターはたくさんいるのですが、ほとんどのキャラクターに対して

あのキャラクターと一緒に協力している姿がより一層好きだ

あのエピソードには感動したな

といった感想が多く浮かんできて、

周りの人との関係やエピソードも含めてそのキャラクターが好きなことが多いことに気がつきました。

すべてのキャラクターが、物語において必要であることがわかる発見でした。

 

お題に答えるブログを書くのは初めてでしたが、自分に関する新しい発見があり、とても楽しかったです!

また書こうと思います。

本との付き合い方

 

今でこそ本はわたしにとって必要不可欠なものになりました。

寝る前には本を読み、外出時にも本を持って行き、移動中は本を読み、新刊の情報を収集し……。

本の虫、とまでは言わずとも、水分補給と同じくらい本は大切です。

 

しかし、これまでのブログでも触れましたが、わたしは高校生になるまでほとんど本を読みませんでした。

読書感想文は苦痛なものでしかなく、なるべく短い本を選んでいました。

朝の読書の時間も、同じ本ばかり読んでいました。

その理由は、自分の琴線に触れる本に出会うことができなかったからです。

だから、本をいくら読むように勧められても、読みたくないものは読みたくない、と思って絶対に読もうとしませんでした。

なかなか威勢のいい子どもですね。笑

 

しかし、わたしが読みたかったのは海外文学だったんだ!と気がついてからは、本の虜になりました。

読みたい本に出会い、心を奪われ、夢中になって読み進めることは、アイデンティティの確立にもなりました。

好きな海外文学を原文で読めるようになりたい!という思いで、大学は英文科系を選んだほどです。

 

若い頃の経験は人生の糧になったり、礎となったりしてくれます。

そのため、若い頃に、様々な価値観に触れられる本を読むことは、意味があることでしょう。

でも、自分の有限な人生を、心から好きだと思える本だけに捧げるのも、悪いことではないと思います。

むしろ、好きなものに時間をかけることは、自分の気持ちに素直になること、自分の感情を大切にする練習にもなります。

現にわたしは、好きなもの好きと言える人間です。

それは、教育のため、漢字の知識のため、人生のため、と言われても、怒られても、ワクワクしない物語は読まない、と決めた若かりし日の頑固な自分のおかげです。

 

もし、本を読むように言われても、どうしても読む気が起きない人がいたら。

無理に読む必要はないと思います。

世界は素晴らしい本であふれています。

その中に、琴線に触れる本は絶対にあります。

そういう本に出会うために、読みたくもない本を読んで家に籠るくらいなら、本屋さんへ行ってほしいです。

もちろん今はご時世的に難しいですが。

本屋さんにもいろいろあります。

流行りものばかりが並んでいるお店もあれば、店主が厳選した珍しい本が並ぶお店も、古本屋も。

とにかくたくさんの本屋さんに行って、いろいろな本に触れて、自分の心を揺さぶってくれる本に出会ってほしいです。

 

読書の秋という言葉も大嫌いだったわたしが、読書の秋にこの記事を書こうと思ったのは、

同じようにこの言葉が嫌いで、読みたい本がわからない人のお力になれたらと思ったからです。

読みたい本を読む

これが一番大切なことだと思います。

読書記録1「ミルドレッドの魔女学校 魔女学校の一年生」

記念すべき初の読書記録は
ミルドレッドの魔女学校 魔女学校の一年生」です。
ずっと読みたかった作品なので、
届いた時から読むのが楽しみでした。
約1日であっという間に読むことができるほど簡潔でしたが、
その内容は想像通り、魔法や不思議に溢れた楽しいものでした。

honto.jp

※以外ネタバレあり

カックル魔女学校に古くからある伝統が興味深かったです。
黒色に統一された制服や、黒い魔法の本、パートナーとなるネコ、など、
魔法好きなら誰もが想像することを、
実際に経験しているミルドレッドが本当に羨ましかったです。

ホウキに乗る、という魔法使いの醍醐味であるシーンは、
なぜあんなにも気持ちが弾むのでしょうか。
しかもこの作品では、自分のネコがホウキに乗れるようにする、
という独特な決まりもありました。

もしわたしがカックル魔女学校の生徒で、
自分のネコをホウキに乗せようものなら、
ネコのかわいさと健気さに泣いてしまうかもしれません。(笑)

中々上達しないネコをカバンに入れて一緒に飛ぶミルドレッドも、
子どもらしい発想でとても微笑ましかったです。


ハロウィーンの祝賀会では、ミルドレッドはひどい目に合いますが、
勇気を出して慣れない魔法を使い、学校を救う
というストーリーにも心が震えました。
ミルドレッドは友達が多い、という設定がありましたが、
その理由はミルドレッドの持つ勇気と実行力、前向きさにあるのでしょう。
わたしもぜひ友達になりたいと思いました。


さらに、この作品の著者であるジル・マーフィさんは、
文章と挿絵のどちらもご自分で書いています
そしてその挿絵が何とも味があります。
挿絵の無い場面のことも想像させるような挿絵なのです。

前半には比較的に怖い挿絵が多く、
本当に暗くて黒い魔女学校が舞台だ、
ということを脳に植えつけられます。

しかし、読み進めるごとに学校らしい場面や、
親友のモードとの仲睦まじい様子が描かれていて、
魔女学校も悪くないかも、と思えてきます。


また、わたしは物語に登場する石造りの建物に目が無いので、
ミルドレッドの部屋や教室のシーンも食い入るように見てしまいました。
棚やテーブルの上、壁にも魔女学校らしいものが隠されていて、
宝探しのような気分でした。

細部にも著者のこだわりが見られる作品は、
読みごたえと見ごたえがあります。

きっと著者の頭の中には、
より具体的な魔女学校の構想があるのでしょう。
全貌を見ることができたら、
興奮で、一時間でも二時間でもその絵を見ている自信があります。


ミルドレッドの魔女学校シリーズは、まだまだ未読のものがあります。

どんな魔法や魔女との出会いが待っているのでしょうか。

早く続きが読みたくて仕方がありません!

好きな絵本1「たいせつなきみ」

今日は大好きな絵本を紹介します。

マックス・ルケード作、セルジオ・マルティネス絵、デイビッド・ウェンゼル絵の「たいせつなきみ」です。

honto.jp

わたしが幼稚園生の頃に、母が購入し、何度も読み聞かせをしてもらいました。

自分で文字が読めるようになると、つらいことがあったり、癒されたい気持ちになったりした時に、読むようにしていました。

この作品のセリフの全ては、多くの人に響く贈り物のようにキラキラと輝いているのです。

※以下、ネタバレを含みます。

 

エリの工房で、パンチネロとエリが話をするシーンは何度読んでも泣いてしまします。

否定され続けたパンチネロの話をゆっくりと聞き入れ、その上で「愛している」と言ってくれる。

これ以上の幸せと喜びがあるでしょうか。

この絵本は、誰かが必ず自分を愛していて、ありのままの自分のことを愛してよい、という当たり前のことを気づかせてくれます。

この絵本を読んですぐに、自分のことを好きになれるというわけではありません

しかし、どこかにパンチネロにとってのエリのような存在がきっといる、と思うことができます。

それは希望や勇気、自分への優しさになります。

 

また、自分の悲しみやつらさを受け入れてくれる存在のありがたみを実感させられます。

悲しみやつらさを言葉にするのはとても難しいことで、言葉にできたらどんなに楽だろう、と思うことは誰しもたくさんあります。

パンチネロも決してうまく伝えられたわけではないでしょう。

しかし、エリはパンチネロを一言も否定せずに、話を聞き、また話をしに来てほしいと言いいます。

それだけで、パンチネロは自分の感情に寄り添ってもらえた安心感を味わえたことでしょう。

自分がつらいときにこの作品を読むと、パンチネロと共に、エリに寄り添ってもらったような気持ちになれます。

読者をも安心させてくれる力を持っているなんて、エリも、作家のお三方も優しさに溢れていますね。

そして、読み終えた時、わたしの傍にはエリやお三方のような人がいると思い出すことができます。

愛情深い両親、大好きな姉、思いやりのある数少ない友人たち。

彼らに改めて感謝するとともに、わたしも彼らにとってのエリでありたいと思わされます。

 

わたしにとってこの絵本は、厳しい時を生き抜くのに必須な武器であり、宝物であり、お守りです。

こんなにも心が軽くなり、清々しい気持ちになる絵本は無いように思います。

きっと多くの方にとって、そうだと思います。

もし、まだこの絵本に出会ったことがなく、このブログをきっかけに知ってくださった方がいたら、ぜひ明日にでも読んでほしいです。

 

ちなみに……

絵も最高に美しく、細部にまでこだわりが見られ、隙がないため、ジッと見ていると、ウイミックスたちの世界に入り込んでしまいます。

最後まで読まないと、絵本の世界からうまく出られなくなってしまいますよ。

好きな児童文学と共通点3

これまで同じ題材で2回、ブログを書いてきました。

今回は最終回となる共通点5、6です。

1回、2回の内容は下記をご覧ください。

好きな児童文学紹介と共通点1 - 花束を持ったゾウ

好きな児童文学と共通点2 - 花束を持ったゾウ

 

5つ目の「愛すべき魅力的なキャラクターが登場すること」と、

6つ目の「キャラクターたちの素敵なお名前」は、

それぞれの作品の特徴的なキャラクターやお名前を取り上げつつ、2つまとめて書いて行こうと思います。

この2つは全ての作品に該当していますね。

わたしにとってキャラクターを愛しく思えるかどうかも、物語を読み進める上で重要な要素です。

 

不思議の国のアリス」のキャラクターは言わずもがな変わったところがあり、魅力的ですが、その中でもやはり主人公のアリスは目を引きます。

アリスは、話が通じない不思議の国の住人たちにも自分の意見を主張し、言い返し、失礼なことを言ってしまうことさえもあります。

例えば、コーカス・レースの後に動物たちと話をする中で、アリスはネズミ相手に何度も飼いネコ・ダイナの話をしてしまいます。

わざとではないのですが、子どもらしい素直さを持ち、物怖じしないアリスの性格によって、ネズミはかわいそうですが、何とも笑える場面になっています。

また、アリスは、わたしにAlice」というロマンチックなお名前を教えてくれました。

音はもちろん、アルファベットの並びは、まるで背の順のように左から右へ小さくなっていて、とても綺麗だと思いませんか?

この作品を読んだのは小学校6年生の時ですが、「なんてかわいい名前!」と感動したのを今でも覚えています。

 

名前という面では、「魔女の宅急便」も思わず声に出したくなるようなお名前を持つキャラクターが登場しますね。

主人公のキキを初め、ジジ、トンボさん、コキリさん……。

他の名前も、カタカナ表記とカ行の音が入っていることが多く、どれも歯切れが良く、子どもに読み聞かせをしたら、すぐに覚えてしまいそうな名前ばかりです。

キャラクターの名前は、物語にリズム感を与えたり、一瞬でその人の顔を思い浮かべさせたりする力を持つ重要な役割を果たしていると、この作品から強く感じます。

 

名前ではありませんが、エーリヒ・ケストナー氏はあだ名の才能に秀でています

「教授」、「ちびのディーンスターク」、「道理さん」、「禁煙さん」など特徴をとらえた、面白いあだ名ばかりで、物語の中でも名前にふさわしい働きをしています。

 

ダークマテリアルズ黄金の羅針盤」の主人公ライラはアリスに次いで痛快で、憧れの存在です。

最近、初めてこの作品を読んだのですが、ライラの諦めることを知らない強さは、大人になったわたしにはとても眩しく感じられました

ボルバンガーに連れていかれ、自分の命が危険な状況でも、自分や周りを常に鼓舞する姿も健気でした。

物語を通して一貫していたライラの実行力と頑張りを見てきた読者は、ライラとパンタライモンの成功を確信することができます。

続きを読むのが今からとても楽しみです!

また、この作品においてライラと同じくらい目を引くのはダイモンというオリジナルのキャラクターです。

彼らは見た目も性格も様々ですが、みんな共通してどこか聡いところを持っていて、パートナーの助けをしています。

ダイモンには、人間が十歳になるまでダイモンは姿を変化できる、というおもしろい特性もあります。

その特性を活かし、ライラはパンタライモンに偵察をしてもらったり、身を守ってもらったり、小さな虫になって傍についてもらったりすることができました。

 ちなみに、「パンタライモン」もお気に入りな名前の一つです。

 

エラゴン」の主人公であるエラゴンは、アラゲイジアという架空の世界のカーヴァホール村に暮らす両親のいない男の子です。

アラゲイジアでは文明はまだ発達していないため、多くの人々は畑を耕したり、狩りをしたりして生活しています。

また、この物語では、鍛錬を積んだ者たちによる剣と魔法の闘いが、何度も繰り広げられます。

どれも現代のわたしでは経験しえないことばかりです。

畑仕事は興味があるので、いつか機会があったらやってみたいですが、闘いは嫌ですね。

エラゴンは、激動の時代の中で厳しすぎる境遇の人生を生きながらも、サフィラと共にいることで心身共に強く、逞しくなっていきます。

勇気と強さと優しさを持ちながらも、時々人間らしさを見せるエラゴンは、いつも読者を奮い立たせてくれます。

まだ解決までを読むことができていませんが、きっとエラゴンとサフィラによってアラゲイジアは救われることでしょう。

サフィラ」も、美しい宝石を思わせるような艶やかな響きを持つお気に入りの名前です。

 

クレストマンシーシリーズ」を初め、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの作品には、性格が極端に誇張されているようなユーモアにあふれたキャラクターが数多く登場します。

特に、キャットの姉である「グウェンドリン」はわたしがこれまで読んできた物語の中で、最も手が付けられないとんでもない女の子でした。

目的を果たすために弟の魔力を問答無用で借りたり、自分の力をアピールするために巨大な虫や不気味なお化けを呼びだしたり。

行動だけでなく性格も豪快で、すぐに癇癪を起したり、弟に当たるような態度を見せたりと、かなり横暴で、最後まで改心することはありません。

常人では書き表せないほどの勢いあるグウェンドリンは、読んでいて疲れてしまうこともあります。

読者を疲れさせるほど、物語の中の人物に真実味を持たせているダイアナさんの表現力にも驚かされますし、

ダイアナさんの手によって生き生きと物語の世界を生きているグウェンドリンは現実の人間よりも強烈な生命力を持っているのでしょう。

グウェンドリンは、「一生忘れることができない」という魅力を持ったキャラクターですね。

 

山賊の娘ローニャ」では、元気いっぱいで明るい主人公のローニャも印象に残りますが、それ以上に強いインパクトを持っているのがローニャの父「マッティス」です。

マッティスは異常なまでにローニャを溺愛しており、感情の起伏も激しく、子分たちが怯えるほど怒り散らしたり、泣きわめいたりと子どものような人です。

自分にとって身近な存在だったとしたら、少し困ってしまう人物であり、グウェンドリンと同じタイプの魅力を持ったキャラクターと言えます。

また、この物語の森に住まう不思議な生き物たちも奇妙なものばかりですが、特に異彩を放っているキャラクターは鳥女でしょう。

鋭い鍵鼻に長い髪を持つ女の体は醜い鳥の形をしていて、挿絵を見るだけで気性の荒さが伝わり、ゾクゾクッと悪寒が走るほど不気味です。

鳥女から逃れようとしたローニャとビルクが、川から滝へ落ちそうになる場面は何度読んでも、自分の事のように緊張してしまいます。 

簡単に言ってしまえば「敵」のような役割を持つ鳥女もまた、グウェンドリンやマッティスと同じ「二度と忘れられない」という恐怖を感じさせる魅力を持っていますね。

正直に言えば、川の場面はトラウマです。(笑)

 

このように、キャラクターが持つ良い魅力も悪い魅力も、強烈であればあるほど、物語の独自性と真実味が高まり、展開も盛り上がります

それぞれの作品で創作された独自性を持った生き物は、時に、ご都合主義になりすぎたり、独りよがりになりすぎることもあります。

しかし、今回取り上げた作品や他の好きな作品でも、キャラクターの個性は良い方向にだけ働いるように感じます。

前回の「読んでみたい児童文学とファンタジー小説」で紹介した作品にも、魅力にあふれたキャラクターがたくさん登場することでしょう。

彼らに導かれながら、物語の中を旅するのが楽しみです。

 

3回に渡って、自分の好きな児童文学を用いて、好きな作品の共通点について考えてきました。

共通点を並べ、分析のようなことをしてわかったことは、どの作品も宝物のように大好きである、という当たり前のようなことでした。

全ての根っこには単純に「好き」という感情がありました。

もちろんこのブログを書いて、後悔したというわけではありません。

ただ、何も御託を並べずに、素直に好きだと思えるものがあることが幸せなことだ、と思いました。

どんな時もわたしを受け入れてくれ、驚きと楽しさと愛情に満ちている児童文学たちに、心からの感謝を伝えたいです。

ありがとうございます。

 

また、まだ右も左もわからない状態で始めたブログを読んでくださった皆様も、ありがとうございます。

わたしのブログを読んで、一人でも多くの方に、わたしが好きな児童文学の魅力が伝わっていたら嬉しいです。

本当に素敵な作品ばかりです。

何より、わたしが好きな作品の多くは愛情に満ちています

あの人に喜んでほしい、子どもたちに楽しんでほしい、救いたい、そんな優しい気持ちで書かれた作品が多いのです。

その愛情をどこかで感じ取り、穏やかな気持ちになっていただけたら、本当に嬉しいです。

 

これからも好きな作品について楽しく書いて行こうと思います。

ありがとうございました。

読んでみたい児童文学とファンタジー小説

今でこそ読書は趣味の1つですが、積極的に本を読むようになったのは高校生の時です。

それまでは、絵本の方が好きでした。(もちろん今も絵本も大好きです!)

そのため、多くの方が幼少期や小中学校時代に読んだであろう作品は、未読のものの方が多いと思っています。

そこで今回は、まだ読んでいない、読んでみたい児童文学とファンタジー小説をご紹介します。


ハリーポッター

クラスの過半数が読んでいたといっても過言ではないほど大流行した作品ですね。

本作が発売した当時、わたしは小学生で、すでにイングランドの文化や魔法には興味がありましたが、

流行りに疎いため、「ハリーポッター」も二巻が発売した頃にようやく存在を知りました。

それからあれよあれよと時は流れ、他に好きな作品が見つかったこともあり、読むチャンスを逃してきました。

映画は何度かテレビで見たため、内容は多少把握していますが、あの世界観を文章だけでどう表現しているのか、自分の目で確かめたいとずっと思っていました。

ブログをきっかけに、少しずつ読んでみようかなと思っている作品です。

honto.jp

指輪物語

こちらも超有名作品であり、わたしが好きな文学作品の中に挙げていた作品ですね。

……実は、最後まで読めていません。

お恥ずかしながら、あの壮大な物語を理解する能力が足りない様で、最初の2、3冊を何度も読み返している状態です。

もう一つの理由として、闘いを鮮明に想像しすぎてしまう傾向があり、怖がっている間に内容がわからなくなり、前後関係が理解できなくなるという悪循環もあります。

しかし、緑豊かな世界観と、個性に溢れた愛らしい登場人物たちに魅かれているため、好きな児童文学に挙げさせてもらいました。

この作品は映画も見たことがないため、全容も結末も知りません。

年内とは言わず、一年くらいの時間をかけて物語をしっかりと理解して読み終えられたらと思っています。

honto.jp

・ミルドレッドの魔女学校

この作品は先にドラマを見て、その後、原作小説があることを知りました。

愉快な仲間に、愉快な魔法、愉快な事件。

ドラマだけを見ていると、他の魔法学校を取り扱った作品に比べ、学校らしい楽しさやハプニングが主役の作品に感じられます。

ドラマを見て、声を上げて笑ってしまうこともしょっちゅうあります。

生徒たちがみんな頑張り屋さんでかわいい!

原作小説ではどうなのか気になるところです。

この作品はすでに注文済みで、直に我が家に届きます。楽しみです!

honto.jp

はやみねかおる先生の作品

姉ははやみねかおる先生の大ファンで、小学生の頃から夢中になって読んでいましたが、わたしが初めて読んだのは中学生の時でした。

しかも

夢水清志郎事件ノート そして五人がいなくなる」

「都会のトム・ソーヤ」の1~5

だけです。

数冊しか読んでいませんが、とてもおもしろいですよね。

あのアイディアがここで生きて来るなんて! と驚かされてばかりです。

また、「怪盗クイーンシリーズ」はわたしの好きな欧州の雰囲気が漂うため、かなり気になっています。

はやみね先生の作品をたくさん読み、「ミステリー好き」というアイデンティティを増やしたいと思います。

honto.jp

 

冒頭でも触れた通り、主に本や読書について書くブログを始めましたが、高校生になるまでは本を読むはとても遅く、苦手な方でした。

(今も速さはあまり変わりませんが……。)

わたし以外の家族は全員、読書が大好きなので、読書が苦手なんてもったいない、とよく言われました。

しかし、絶対におもしろい! と言い切れるたくさん作品をまだ読んでいないということは、これからそれらを楽しむことができる、ということになります。

楽しみを今に残しておけたのだから、読書が苦手だった過去の自分に感謝するべきですね。

ありがとう、文字の羅列が苦手だった小さい頃のわたし。

 

今回挙げた作品以外にも、世界は素敵な児童文学やファンタジー小説で溢れています。

常にアンテナを張り巡らせ、大好きな一冊を増やせるように日々を過ごして行こうと思います。

また、興味深い作品があれば、追記もしくは新規ブログを書きます。

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

好きな児童文学と共通点2

前回に引き続き、わたしが好きな児童文学における

共通点の3、4を取り上げていきます。

前回の記事はこちらになります。

好きな児童文学の紹介と、共通点1、2に関しては下記をご覧ください。

好きな児童文学紹介と共通点1 - 花束を持ったゾウ

 

※今回のブログは何度か加筆修正をしています。

1日おきに書くことを目標にし、急いで書いて、内容精査を怠った結果です。

今後は「楽しく書く」を忘れずに、間違いも少なく済むように書いていきます。

(2021.8.25)

 

3つ目の共通点である「現代の地球とは限らない世界観」

これは全ての作品が該当します。

作品自体が書かれた時代が古いものが多いため、この地球が舞台であったとしても、時代背景は現代ではありません。

自分が生きていない時代の、別の国を舞台にした知らないことだらけ物語は、わたしの心を躍らせてくれます。

舞台は地球だけれど、時代が異なる作品としては

ドイツを舞台にした飛ぶ教室」、「エーミールシリーズ」

クロアチアを舞台にした「なぞの少年」などが挙げられます。

当時の情勢や雰囲気、学校制度、子どもたちの楽しみなどを知ることができ、楽しい物語を読みながら、日本との共通点や相違点を発見できたり、知識をつけたりすることができる作品と言えます。

honto.jp

honto.jp

地球ではないどこか別の世界の物語は、「とにかく楽しい!」の一言に尽きます。

特に、「不思議の国のアリス」、「ピーターパン」、「サークルオブマジック」の世界観が好きです。

不思議の国のアリスは読んで字のごとく、不思議な世界です。

たった1つのドアしかない部屋、白ウサギの住む立派なお家、コショウまみれでくしゃみが止まらないキッチン、恐ろしい女王の裁判所……。

作品を知らない人が、上の四つを読んだら、「これはかなり不思議だぞ」と思うはずです。

しかしその不思議さであり、不気味さがとても癖になります。

 

「ピーターパン」もまた 不思議な世界ですね。

現実世界にいた迷子たちや、フック船長率いる恐ろしい海賊たち、インディアンたち、人魚たち、動物たち、そして妖精たち。

本来ならば同じ空間にいることのなさそうな存在が共存し、時に闘いながら生活をしています。

 

「サークルオブマジック」まさにファンタジー小説と言うべき世界観です。

古ぼけた雰囲気を持つ魔法学校、広々とした図書館、狭苦しい学生寮、歌声が響く食事処のごった返した様子、騎士のトーナメントが行われる広大な野原……。

書き出しただけで、興奮が止まりません!

全体的にセピア色を帯びているような世界観が大好きです!

しかしそこに、使い古された雰囲気は感じられません。 

 

その世界がいかにアイディアに溢れ、読者の想像を掻き立ててくれるか。

それが物語を楽しむ上で、とても重要だと考えます。

 

4つ目の「魔法や不思議な力など、ファンタジー要素があること」について。

前提として、3つ目でも少し触れた通り、わたしは物語を読むとき、子ども並みの好奇心を持ち、現実から解き放たれています。

それを叶える大きな力を持っているのが、「ファンタジー」なのです。

そして、この「ファンタジー」な要素は、わたしが好きな児童文学のほぼ全てに当てはまります。

  

「大魔法使い…」や、「サークル…」、「エラゴン」に登場するのは、記号を描いたり、道具や材料を用いたり、古代語のような特別な言語を話すことで使うことができる多くの人が想像する魔法と言えるでしょう。

どの魔法も一度は、やってみよう! と試みるものばかりです。

その中でもわたしは、「大魔法使い…」の魔法が好きです。

やり方は他の作品の魔法と似ているところもありますが、不思議な匂いや、魔法を使った証拠に不思議な振動が起こるという表現は見たことがありません。

(作中では振動をブンブンという音で表現しています)

「臭いんだろうな」、「うるさそう……」といった想像を広げられ、少しだけ魔法に詳しくなったような、得意な気持ちになります。 

honto.jp

また、メアリー・ポピンズが持っているような不思議な力にも魅力を感じます。

星座たちのサーカスに招かれたり、公園に季節を飾ったり、宙に浮いてお茶をしたり……

子どもが夢みるような出来事を、メアリーと一緒に過ごすことで経験できるのです。

 

世界そのものが不思議な力を持っていることもあります。

その最たるものは「不思議の国のアリス」でしょう。

「ピーターパン」、「ダークマテリアルズ黄金の羅針盤」なども挙げられます。

世界の持つ力によって、地球の理に逆らった出来事が起き、不思議な存在が生きている。

それは時に、登場人物たちに牙を向きますが、読者であるわたしたちには、スリルと興奮を与えてくれます。

honto.jp

honto.jp

では、なぜ「現代の地球とは限らない世界観」と「魔法や不思議な力など、ファンタジー要素があること」に魅かれるのか。

それは前述したとおり、未知のものに魅かれるのと同じ感情です。

物語を読むとき、まるで生まれたての子どものように、この世界を知りたい! どんなことが起こるんだろう? という好奇心で胸がいっぱいです。

現代でも、日本でもない、ましてや魔法なんていう素敵なものがある世界なんて知りたいと思うに決まっていませんか?

同意していただけたら嬉しい!

 

さらにもう一つ理由があるとすれば、

現実からかけ離れた世界で繰り広げられる物語は、目の前の課題をも忘れさせてくれるということです。

(やるべき宿題を忘れる、という意味ではありません)

それに何度も救われてきました。

どんなにつらく、苦しいことが起こったとしても、大好きな本を開けば、

その先には未知に満ちた世界が広がり、知らない力を使った闘いや、友情に基づいた助け合いなどが繰り広げられ、いつの間にか、登場人物と一緒にその世界を歩いている気分になれます。

その経験は時に、人の心を慰めたり、癒したりしてくれます。

わたしはそういう物語に出会った時、心強い味方ができたような気持ちになります。

きっと物語にはそのような力があるのでしょう。

素晴らしい作品を生み出して下さった著者の皆様に直接お礼を言うことはできませんが、いつも心から感謝しています。

ありがとうございます。

今日もどこかで、誰かの味方になっているでしょう。

 

以上で、共通点3、4でした。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。